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:2006:12/31/15:34  ++  デミアン

今年最後の記事はデミアンについて

この小説、出だしが良いですよね。
まず最初に作品全体に流れるモチーフを提示し、そのモチーフが形を変えつつ
繰り返し現れて語りかけてくる。日本では北杜夫の幽霊あたりがそれに近いでしょうか。

いってみればサビから始まる音楽とおんなじ訳ですが、そもそもこういった形式というのは非常に普遍的です。
例えば、手塚治虫のキャラクターってこいつ他にもいたじゃん!ってのがいくつもいますよね。
ヒゲオヤジとか本間先生とか。おなじキャラクターが時と場所を変え物語が始まる訳ですが、
その人が大切にしているモチーフってそんなに沢山あるわけではないと思うのです。

人間の使命とは自分自身の元へと戻ることだ、というのがこの小説のモチーフですが、
このモチーフとその変形の具合には第一次世界大戦の影響が色濃く反映されています。

敗戦によって自分を支える社会的な基盤に信頼が置けなくなった時、
帰る場所が何処にあるかといえば自分しかなかったんでしょうか。

ただ、それが「超人」とか言い出すニーチェのいるドイツだったので、
日本的な情緒的なものとは対照的な思想的なものになっています。

また、当時の影響としては隆盛しつつあった精神分析の影響(特に夢判断)も見逃せませんね。
これについてはまた書く機会もあると思いますが、今日はこんなところで。

それではみなさま良いお年を。






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